クエン酸の摂取、本当に健康にいいの?
クエン酸といえば、疲労回復や運動パフォーマンスの向上に良いとされ、スポーツドリンクやサプリメントにもよく含まれています。しかし、最近の研究では、クエン酸の摂取が必ずしも健康に良いとは限らないという指摘もあります。特に「がん」との関係や体内での「トランスポーター」を介した「取り込み」のメカニズムに関しては、注意が必要かもしれません。
クエン酸の基本的な「効果」
クエン酸は柑橘類や梅干しに含まれる酸で、エネルギー代謝をサポートする働きを持っています。クエン酸回路(TCA回路)という体内のエネルギー産生システムに関わり、疲労物質である乳酸の分解を助けるとされています。このため、運動後の疲労回復を促すとして、多くの人が摂取しています。
クエン酸の摂取が問題になる場合
しかし、クエン酸を過剰に摂取することによって、予想外の影響が生じる可能性があります。
1. がん細胞のエネルギー源になる可能性
がん細胞は正常な細胞とは異なるエネルギー代謝を持ち、特定の栄養素を好んで取り込む性質があります。最近の研究では、一部のがん細胞がクエン酸をエネルギー源として利用できることが示唆されています。つまり、クエン酸を大量に摂取することで、がん細胞が成長しやすい環境を作ってしまう可能性があるのです。
2. ミネラルの吸収を阻害する
クエン酸は一部のミネラルと結合しやすく、過剰に摂取するとカルシウムやマグネシウムといった重要なミネラルの「取り込み」を阻害することがあります。特に、骨の健康に関わるカルシウムの吸収が妨げられると、骨粗しょう症のリスクが高まる可能性があります。
3. 胃腸への負担
酸性の食品やサプリメントを多く摂取すると、胃の粘膜に負担をかけることがあります。特に胃酸過多の人や胃腸が弱い人は、クエン酸の摂取に注意が必要です。
クエン酸の「取り込み」を考慮した適量摂取を
体に良いとされる成分でも、過剰摂取は逆効果になることがあります。クエン酸の「効果」を正しく理解し、適量を意識することが大切です。特にサプリメントで摂取する場合は、食品から摂る量と合わせて調整し、過剰にならないように注意しましょう。
健康のために良かれと思って摂取しているものが、実はリスクを伴う可能性があることを知り、自分の体に合った方法で活用していくことが大切です。