股関節に問題がある場合、その多くは「変形性股関節症」という病変です。

変形性股関節症の症状

初期段階ではあまり痛みはなく、病状が進行するにしたがって痛みが強くなってきたり、関節が動かしにくくなってきて初めて股関節痛を自覚することが多いです。

また、股関節は分厚い筋肉や靭帯組織に囲まれているため痛みを感じにくく、他の病気と間違われやすいのも特徴です。

腰や臀部、大腿部前面、膝の痛みとして感じる人もいるため、腰椎ヘルニアや脊柱管狭窄症からくる坐骨神経痛と誤診されることがあります。

以下に、主な症状をわかりやすくご説明します。

  1. 股関節の痛み
    長く歩いたり立ち仕事をした後に、股関節が痛みます。
    末期になると痛みが日常の動作中にも現れ、休んでいても痛みを感じるようになったり、夜間に痛みで目が覚めることもあります。
  2. 股関節のこわばり・可動性の制限
    朝起きたときや長時間座っていた後に、股関節がこわばって動きが鈍くなります。また、しゃがんだり、靴下を履くときに困難を感じるようになります。
  3. 歩行障害
    痛みを避けるために足を引きずるようになり、不自然な歩き方になります。この特徴的な歩き方を「跛行(はこう)」といいます。
  4. 筋力低下
    痛みや動きの制限から、周囲の筋肉が弱くなります。特に太ももやお尻の筋肉が使われなくなり、筋力が低下します。
  5. 生活の質の低下
    症状により日常生活や仕事、趣味の活動が難しくなり、生活の質が低下します。また、痛みや不自由さからストレスや気分の落ち込みを感じることもあります。

変形性股関節症の原因

  1. 加齢
    年齢とともに関節軟骨が摩耗し、再生能力が低下することが主な原因です。
  2. 先天性股関節脱臼
    生まれつき股関節が不安定な場合、後に変形性股関節症を発症するリスクが高くなります。
  3. 骨の形態異常
    股関節臼蓋形成不全(股関節の受け皿部分が浅い状態)や大腿骨頭の形態異常があると、関節軟骨の摩耗が進行しやすくなります。
  4. 肥満
    体重が増えると股関節にかかる負荷が大きくなり、関節軟骨の摩耗が進行しやすくなります。
  5. 外傷
    股関節の骨折や脱臼などの外傷が、後に変形性股関節症を引き起こすことがあります。
  6. 炎症性関節疾患
    関節リウマチや痛風などの炎症性関節疾患が原因となることがあります。

先天性股関節脱臼があった場合は要注意!

変形性股関節症の患者さんの約8割に、乳幼児期に股関節の形成不全があったということが分かっています。

股関節の形成不全があった場合、骨盤側のカップ形状が浅くなり、先天性股関節脱臼を発症しやすく、その多くは女性にみられます。

幼少期に先天性股関節脱臼があった方は、普段の日常生活において、股関節に負担をかけないように気を付けることが重要です。

なかもと整骨院での治療

股関節周辺にはたくさんの筋肉が付着しています。股関節が変形してくると、負担をかけまいと体が無意識に周辺筋肉を硬直させて、股関節の動きを制限してきます。

この筋肉の緊張により、さらに関節の圧縮が強まり軟骨をすり減らす、といった悪循環に陥ります。これらの悪循環を断ち切るために、筋肉の緊張を弛緩させることが必要です。

当整骨院では股関節の負荷を軽減させるために、さまざまな施術を提供しています。

  1. ストレイン・カウンターストレイン
    このテクニックは股関節周辺の緊張した筋肉を緩めたり、可動性を増やしたりすることに対して、特に有効な手技です。
    また、緊張した筋肉が緩むことで、関節の軸圧が減り、軟骨が減りにくくなることによって、手術を先延ばしにすることができます。
  2. 筋膜リリース
    股関節周辺は、かなり深いところまで筋肉が付着しており、これらの筋肉は普通のストレッチでは伸ばすことができません。
    特殊な手技を用いて間接的に筋肉を緩めていきます。
  3. 温熱療法
    ホットパック:患部に温かいパックを当て、血流を促進し、痛みを軽減します。
    超音波療法:超音波を利用して深部の組織を温め、筋肉の緊張をほぐします。
  4. 電気療法
    低周波治療:低周波の電気刺激を使って筋肉をほぐし、痛みを緩和します。
    干渉波療法:異なる周波数の電流を使って、深部の筋肉や関節に働きかけ、痛みを抑えます。

なかもと整骨院では、変形性股関節症の症状を緩和し、日常生活を快適に過ごせるように、多様な治療法を組み合わせて提供しています。早期に適切な治療を受けることで、症状の進行を抑え、生活の質を向上させることが可能です。

股関節に違和感や痛みを感じたら、お気軽にご相談ください。