「前向き」「後ろ向き」ってそういう意味だったの!?

こんにちは。久しぶりの更新です。

研究論文や調査報告書を読む中で「前向き」な調査研究、あるいは「後ろ向き」な調査研究という言葉を見たり聞いたりしたことはないでしょうか。

恥ずかしながら、最近まで私は「前向きな研究」の意味を「昔からやりたかった研究だから前向きに積極的に取り組みました!」、「後ろ向きな研究」の意味を、「あまり気が進まない研究だけど、しかたがないからやりました…」みたいな感じで認識していました(笑)

実際に研究における「前向き」「後ろ向き」とは データの収集方法 を表しています。

「前向きな調査研究」とは、研究開始時点から将来に向かってデータを収集し、経時的に観察する研究のことを指します。

例えば、ウォーキングを毎日続けたグループAと、普段どおりに運動しなかったグループBで1年後の体重変化や健康状態を比較する調査などが該当します。大学病院などで行われる治験も、この前向きな研究に当たります。時間やコストはかかりますが、因果関係を明確にしやすいというメリットがあります。

一方、「後ろ向きな調査研究」は、すでに集められた過去のデータを用いて、過去に遡って分析する研究のことを指します。

例えば、肺がんの患者さんの医療記録を調べ、過去に喫煙していたかどうかを確認し、「喫煙していた人」と「喫煙していなかった人」で肺がんのリスクに違いがあるかを分析する研究などがこれに当たります。すでに蓄積されたデータを活用するため、効率的に研究を進められる反面、データの質やバイアスに注意が必要です。

この違いを知ったとき、私は「なるほど!」と納得しました。

普段何気なく使っている言葉も、専門分野ではまったく違う意味を持つことがあります。みなさんも、「前向き」「後ろ向き」という言葉を聞いたら、ぜひ研究デザインの意味もあることを思い出してみてください。です。